2006-05-29 受話器の向こうは 入院中の母に電話をした。 夜だったせいか、 早くお迎えがきたらいいのに、と母がしんみり言っている。 まだ生きなくてはいけないのか、とも。 昔、近くに住んでいた友人の話をしながら、 あの人は寝ている間に逝ってしまった、いい人だったからねえ、とも。 私は人間ができてないから、うまく死ねないのかねえ、とも。 大丈夫だって。 ちゃんとその時がきたら、うまくあちらへ行けるって。 おかあちゃんやったら、大丈夫だって。 そうだったらいいけど。 父が亡くなって十四年、 父はまだ母を呼ぶ気はないのだろうか。